取り替え子~チェンジリング

衝撃の実話!チェンジリング

取り替え子~チェンジリング

チェンジリング(Changeling)という映画タイトルは、ヨーロッパの伝聞に残る「取り替え子」(チェンジリング)からタイトルになっています。

ヨーロッパの伝承で、フェアリー・エルフ・トロールといった妖精などの子どもと、人間の子供が秘密裏に取り替えられること。妖精たちと取り替えられた子のことをチェンジリング(取り替え子)いいます。昔の伝承だったとはいえ、親から取り替え子だと疑われた子供たちにとっては、とてもむごいことでもありました。

このような伝承が残っている理由の中には、現実にしばしば奇形児や知的障害児の誕生があったからです。多種多様な取り替え子の記述には、多くの病の症状、二分脊椎症、嚢胞性線維症、フェニルケトン尿症、プロジェリア症候群、ウィリアムズ症候群、ハーラー症候群、ハンター症候群、脳性麻痺と合致しています。

取り替え子伝承には、正常に成長しない子供たちの特異性を説明するために、伝承が使われて使われていく中で発展していったと仮説されてきました。おそらく、成長の遅れがあったり異常のある症状も多種に含まれていたと思われます。

特に、自閉症児は不可思議さや、なかなか説明しがたい振る舞いをすることから、エルフの子というレッテルを貼られがちでした。そして一部の高い知能を持つ自閉症の大人たちは、取り替え子と同じように同一視されてきました。

中世から伝わる伝承

中世の年代記で、フェアリーについて最古の伝承のひとつとして取り替え子は、しなびた外観、旺盛な食欲、歩行ができないこと、手の付けられないかんしゃく、不愉快な性格だと識別されています。

そして一部の伝承では、取り替え子は人間の子どもよりもはるかに優秀な知能だったんで、見破ることは簡単だとされています。その他にも、トロールは洗礼をする前の幼い子どもをさらうと信じられていたり、人間野中でも美しい子どもや金髪の持ち主がフェアリーに好まれるなどと信じられていました。

ウェールズ

ウェールズでは、取り替え子は最初のうちは取り替えられた子に似ているけれども、成長するにつれて病的な顔つきになって、不格好で気難しくなり、叫んだり噛み付いたりするようになり、次第に容姿や振る舞いが醜くなっていくとされていました。取り替え子は、同じ年頃の人間の子供よりも決して賢くはなく、その反対に子供っぽい知恵とずるいところを露見することで正体を見破られてしまうとされていました。

取り替え子かどうかの判別をする一般的なやり方として、家族の食事を卵の殻の中で調理するというものがあります。

子供は『おいらはカシの木の前から木の実を見てきたけど、こんなことをするのをみたことがない。』と叫んで消えてしまいます。そこには取り替えられた元の人間の子供がいるだけになります。

もう一つの方法としては、この見分け方を行った後に、子供をシャベルの上に乗せて火の上にかざして熱いオーブンの中に置いたり、またはジギタリスを煎じた風呂に入れるなどの虐待をする必要がありました。

スカンジナビア

スカンディナヴィア民俗伝承によると、妖精は鋼を怖がるので、スカンジナビア諸国の親たちはしばしば洗礼前の子供の揺りかごの上に、一対のハサミやナイフをそっとしのばせていました。もしそのような手だてをしていたにもかかわらず子供がさらわれてしまった場合には、両親が取り替え子を冷酷に扱うことで子供を取り返すことが出来ると信じられていたため、子どもを鞭で打ったり熱いオーブンの中に入れたりするような方法が取られていました。ある一つの例では、ある女がオーヴンの中で実子を焼死させてしまい裁判沙汰になったこともあります。

スウェーデンでの取り替え子の物語には、トロールの子供が人間の農場で育って、人間の子供がトロールの元で育ったというものがあります。誰もが人間の母親に、トロールにもう一度子供を取り返させるために、取り替え子に辛く当たるよう忠告しました。しかし女は、罪は無いものの人間の子としては適応出来ないトロールの子をそのように扱う事を拒んで、自分の我が子であるかのように扱いました。

その結局、彼女の夫はこれ以上トロールの子供を養うことはできないとして、妻と別れることにしました。夫から別れを切り出され、取り乱した妻はたとえトロールであっても無実の子を捨てることなどできなかったために、夫が去ることを許します。夫は遠く離れた森の中を歩いていくと、実の息子と出会います。そして息子からトロールから解放されことを聞かされました。トロールが人間にひどい扱いをされそうになる度に、彼のトロールの母は人間がトロールを扱うように彼を扱おうとしました。しかし彼の母親が最も愛しい夫を犠牲にしたとき、トロールの母親は、彼ら(トロール)の支配力が人間の母親には及ばないため、子どもを解放せざるをえないことを悟ったということです。

別のスウェーデンの妖精話では、人間のお姫さまが誘拐されてしまい、トロールの母親の願いに反してトロールの娘と取り替えられました。取り替え子は新たな両親のもとで育っていき、どちらも若くして美しい女性になりましたが、どちらの親も子どもを馴染ませるのに大変な苦労をしました。

人間の少女はトロールの王子で、未来の花婿になるトロール王子を忌み嫌います。またトロールの少女は、自分の生活と退屈な未来の花婿に飽き飽きしていました。偶然の巡り合わせで、少女たちは森へ迷い込みます。互いに見知ることなくすれ違って、互いの生活を覆すことになりました。お姫さまが城へやってくると、王妃は一目で娘だとわかります。トロールの少女は自分がそうするように大声で吼えるトロールの女を見つけます。

トロールの少女は、トロール女が今まで見たどんな人間よりもおもしろいと思って飛び出して、トロールの母親は実の娘の帰還が真実とわかって喜びました。少女はどちらも同じ日に結婚式を挙げました。

アイルランド

アイルランドでは、赤ん坊をうらやましそうに見ると妖精の力が赤ん坊に及んで、赤ん坊が危険にさらされるために危ないとされていました。過度に賞賛されたり、うらやまれたりするひとは、祝福を受けていても危険でした。頑丈な身体と美しさを備えたひとは特に危険とされていて、女性は特に異世界との境で危険にさらされました。妖精の国で新しい花嫁にされたり、妖精の新しい母親にされたりしたといいます。

取り替え子を火にくべると、煙突から飛び上がって行って人間の子供が帰されたといいます。そのほか、アイルランドの一部の地域では、左利きの人は取り替え子であるといわれています。

スコットランド

民俗学者のフランシス・ジェームズ・チャイルドのバラッドコレクションに収められている「The Queen of Elfan's Nourice」では、フェアリーの子の母となるよう略奪された人間の母親を描いた作品です。この作品は、取り替え子の民間伝承が元になっています。取り替えられた母親の嘆き、エルフ国の女王が、女王の子が歩けるようになるまで養育すれば、彼女を実の子の元へ帰してやると約束するといった内容が含まれています。

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